株主の皆様におかれましては、平素より当社事業に対し、格別のご高配とご支援を賜りまして、誠にありがとうございます。この場をお借りしまして心より感謝申し上げます。

2023年度は売上高1,728百万円(前期比18.8%増)、営業利益270百万円(同20.6%増)、ARR1,200百万円(同16.6%増)と、すべての経営指標で前年より成長しました。依然として不透明な社会情勢のなか、小売業は益々多様化する消費者ニーズへの対応を求められており、DX推進やSDGsの食品ロス削減運動、さらに「物流2024年問題」が注目される中で当社のサービスへの期待値も高まっております。

株式会社シノプス
代表取締役 南谷 洋志

経営方針について

当社は「世界中の無駄を10%削減する」というビジョン達成のために、経営戦略の柱の1つである食品バリューチェーンの最適化に向けて、需要予測・在庫計算データを核とした流通業全体のDXを推進してまいります。
この経営戦略を実行するために、以下2つを進めてまいります。

1. 中長期成長に向けて、コア技術を活用した事業領域拡大

新市場獲得を目指して、「DeCM-PF」の構築や食品スーパーの人時改善を行うサービスを中長期の事業として推進いたします。「DeCM-PF」では、2023年12月8日に伊藤忠商事社と合同で製配販の食品三層へ向けたサービス説明会を開催し、機能の1つである「特売リードタイム長期化サービス」の提供を開始しました。食品バリューチェーンの最適化に向けて今後も複数のサービス展開や商品カテゴリの拡大を検討しております。
また、食品スーパーでは恒常的な人手不足による人件費高騰への対応が急務であることを背景に、食品スーパーの人時改善を行うサービスを2023年から研究開発しております。今後、需要予測・在庫管理情報を活用することで、モノの最適化から作業人時の最適化へ事業を展開し、さらなる人時改善サービスを提供できるよう中長期の事業として推進を開始しました。
中長期的な成長を維持するため、小売業の需要予測・在庫情報をコア技術として事業領域拡大を推進します。

2. 既存クラウドサービスで年20~25%の売上成長を維持

事業領域拡大には、小売業の需要予測・在庫情報がコア技術として必須となるため、小売業のシェア獲得を目指して、需要予測型自動発注サービスに引き続き注力してまいります。特に注力している食品スーパーマーケット向けのシェア率は2023年12月末時点で36.1%(前期比1.9pt増)となり、需要予測や自動発注ツールを対象とした食品ロス削減ソリューション市場でシェア1位(注1)を獲得しました。この高いシェア率を活用し、他社とのサービス連携も進めております。シェア1位を盤石なものとし、既存クラウドサービスだけでも年20~25%増の売上成長を維持できるよう、顧客満足度向上、経営基盤の強化を改めて推進します。

今後もユニークな製品・サービスを展開することで「世界中の無駄を10%削減する」に向け邁進する所存です。株主の皆様には、引き続きご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。